お父さんが死んで11年、初めて振り返ってみる。①
2010年7月19日、私のお父さんは亡くなりました。
当時の私は中学校2年生、朝起きたときに仕事に出かけようとしていた父を見たのが最後です。
”明日は終業式、夏休みが来るの楽しみだなー!”
”部活のコンクールの練習しないとなー!”
中学生だった私は近づいている夏休みに胸がウキウキしていて、
その日の夜は夜更かしして23時頃まで起きていました。
そろそろ寝ようと本格的に布団に入ったとき、家に1本の電話。
こんな夜遅くになんだろう?と心配に思いながら、お母さんが電話をとるところを黙って見ていました。
電話をとった瞬間、明らかに取り乱すお母さん。
中学生ながら、頭の中が?でいっぱい
Misaki ”どうしたの?”
お母さん ”なんか警察から電話かかってきて、お父さん死んだらしい”
中学生の私にとって、”親が死んでしまった”という事実は絶望さえ感じさせました。
何回も警察から電話がかかってきます。
この日の夜は現実味がなくて、ふわふわしていて、逆に涙が出ることもなくとりあえず寝ようと思って不安そうな顔をしている妹と寝ました。
朝目が覚めると、お父さんがいない。
今までとは違う状況に戸惑いました。
本当のことなの?と不安な気持ちが押し寄せる。
でもまだ確定したことじゃないし、どうしたらいいか分からないから学校に向かう。
学校で仲良かった子、1人だけにこっそり話しました。
自分では涙も出ていないし大丈夫と思ったけど、私の目はかなり動揺していたと何年か経ってから言われました。
学校が終わって家に帰ってからだったか、記憶は曖昧ですが
お母さんが警察へ遺体確認をしたという話をされました。
”お父さん、死んだ”
それでさえ、実感というものを感じないから不思議で仕方ありませんでした。
そこからお母さんは死亡手続きや葬儀の手配、関係者や学校への連絡など毎日のスピードがありえないほど早く過ぎ去って行きました。
私はお母さんに心配をかけたくないという気持ちからか、
なぜか家中を片付けて誰がいつ来ても大丈夫なくらいキレイに掃除をしていました。
次々と来る学校の先生、お父さんのおじいちゃん、おばあちゃん、鳴り止まない電話。
あの夏は不思議な夏でした。
とにかくあっという間でした。